説明
絹本12図、扉題短歌「蛤りの恋十二景」:
いつまでも、はなれまいぞと、蛤りの。ふたとふたとで、しかとだきしめ。
ふたとぢて、はなれまいぞと、蛤りが。すってすはせて、心ゆくまで。
喜多川歌麿の春画帳「宿屋飯盛」に書かれている「蛤(はまぐり)に、嘴(はし)をしつかと、はさまれて。鴫(しぎ)立ちかぬる、秋の夕ぐれ」は、西行法師の「心なき、身にもあはれは、知られけり。鴫立つ沢の、秋の夕暮れ」のパロディ。勿論蛤は女性器、鴫は男性器ののことを言うまでもない。
ハマグリに嘴(はし=くちばし)をしっかと挟まれたシギというのは、諺の「漁夫の利」の語源となった「蛤を食べようとした鴫が、蛤の貝殻にくちばしを挟まれて飛べないでいるところに、漁師が来て蛤も鴫も手に入れて帰った」という話に掛けているわけだ。
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