説明
荒木陽子エッセイ13編、モノクロ写真多。1984年の「バルテュスの夏」に始まり、「センチメンタルな旅」を経て、1988年の「二人だけの時空間」に至る、二人のどこまでもロマンティックな道行きの記録。
各編に「夫・アラーキーの相聞歌」/バルテュスの夏(1984年7月神戸・京都)/旅行性元気症(1984年9月軽井沢)/湯上り登山(1985年8月熱海)/追憶〈センチメンタルな旅〉(1985年11月京都)/本日はお日柄もよく(1986年11月日光・川治)/京の夜に散る山桜(1986年4月奈良)/四十一歳の誕生日(1988年5月松崎)/二人だけの時空間(1988年9月箱根)/他。
本書は荒木の妻であった荒木陽子が書いた部分の方が多い。内容的にも陽子が主な書き手である。荒木というある種の変人を御しながら、旅を楽しむ彼女の筆は闊達といえる。その後、彼女が若くして亡くなることになることの片鱗も本書には見られない。そんな結末を知っている読者は、本書にやや苦味を感じてしまうのではないか。
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